7月5日、ドラゴンノベルスより遂に発売した『THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双 月を見るたび思い出せ!』。発売当日に朝から最寄りの書店を全力で転々としたが、残念な事に見つからなかった(同じく5日に発売した同社のノベル作品はあったのにこれだけ置いてないという悲しい事態・・・)なので大人しくKINDLE版を購入して読む事にした。

※ここから一読者としての感想を書いていきます。あくまで自分にとっての感想になるので人によってはレビューの評価に差があるかもしれません。

 

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読んだ感想

普通に面白い。

八神ファンは間違いなく読んだほうがいいし、そうじゃなくてもKOFが好きな人は読んで損が無い。

今作の八神庵について

メッチャいいキャラしてる。

自分はSNKではテリーが一番好きで彼に関連する人物や名前を期待していたが、残念ながら本作には一切登場せず。八神に関しても個人的にあまり関心がなかったのだが、いざこの作品を読み進めてみると「八神庵ってこんなに味のあるキャラだったのか」と認識を改める事になる。

いつの時代の八神なの?

時系列は1997年、つまりオロチ編最終章である「KOF97」の時の八神である。血の暴走を抑えたままオロチを喰い止めて、その間に京がトドメの一撃を八神もろともオロチに放った直後に異世界転移した。

異世界でもいつもの八神なの?主人公として不快にならないの?

良くも悪くも京一筋だった彼が、京がいない異世界ではどうやって人と関わっていくのかと興味をそそられる中で、どんな相手に対してもやはり無愛想で冷めた態度を取る、興味が無いものには見向きもしないなど一般的な八神像は健在だ。

しかし、自分を純粋に慕ってくれる相手に対しては事あるごとに不器用な優しさを見せたり、以外と面倒見が良かったりとツンデレ兄ちゃんとしての方面が目立っていた。彼の戦い方があまりにも暴力的なのに嫌いなものが「暴力」という事について彼なりの考えを述べるシーンもあり非常に感慨深いものがある。

それに芯はしっかりしており思った事や気に食わない事は言葉なり行動なりではっきり示すので、ここまで来ると逆に爽快で不快な気分にならない。

極めつけは、気づかぬ内に17歳の少女に膝枕をされていた事に気づいた途端、謎跳躍で川に飛び込んで気を落とすといったお茶目要素も満載でどこか憎めないキャラに仕上がっている。(もっとも、公式でお茶目な八神が見れるのは今に始まった事ではないが・・・)

原作要素について

KOF要素ってあるの?

前回の記事でも原作の面影を思わせるようなキャラや地名が出るんじゃないかという推測はしてたが、やはりそういった要素はあった。

 

 

ただ驚いたのは、自分が想像していた以上にKOF要素が詰まっていた事だ。原作を知っている人には思わずニヤリとする場面が散りばめられている。

八神の趣味であるバンドという設定が劇中で遺憾なく発揮されたり、烈風拳っぽい技を見たときに「烈風拳」と言ったり、「ギースにしょうゆ」並みに適当感漂う人名や地名が登場したり、原作の台詞やネタのオマージュも頻繁に出てくるから面白い。

キャラクターについて

まず八神と行動を共にするメインキャラクター二人を紹介する。

「アルテナ・ヴィークトリアス」・・・この作品のメインヒロインでエサーガ公国唯一の女騎士。物語は主に彼女の視点で進行していく。名前と容姿からして明らかにアテナを意識しており、八神本人もそれについて言及している。だが姿は似ていてもアテナとはまるっきり別人な為、性格も違うしサイコパワーも使えない。

「リリリゥム」・・・魔法使い。魔法の腕は凄いのか凄くないのか不明だが握力が凄まじく強い。とある事で八神達と出会い、それ以降彼のパーティーに加わることに。

彼女が使うのは自己流である「極限流魔法」・・・それにどこかで見た事ある顔・・・

 

あっ・・・

 

こんな感じでKOFに馴染みがある姿をしたキャラクターが割りと多く登場する。ビジュアル付きは上述の二人以外あまりいないが、文字描写のみでも初登場時の容姿の説明を見た時に「おっ、それってあのキャラじゃね?」と分かるように丁寧に描かれている。

格闘描写について

戦闘シーンはゲームの動きや超必殺エフェクトをそのまま文字描写したような感じで、実際原作をプレイした人にとっては脳内再生出来る程に緻密に描かれている。しかも八神に至ってはあの長い技名をちゃんと表記しつつ戦闘シーンのスピード感を落とさずに動作の説明を入れている。これはかなり評価が高い。(例の三段笑いもちゃんとあります。)

まとめ

SNKが自社キャラを使った異世界小説に挑戦するという事で読んでみた訳だが、原作をプレイした経験のある自分からしてみたら最後までニヤニヤさせていただきました。

KOF要素が結構あったが、ファンタジー世界らしく、現実世界とはまた違った文化の違い、アルテナやリリリも話を読んでる内に元キャラの面影を忘れるくらい別人として認識出来て、オリジナルキャラやモンスター等も登場するので、「結局ただのKOFじゃないか・・・」といった感情にはならなかった。

ついでに踏み切った事を言うとこの作品、なんと続編がありそうな終わり方をしていた。かなり衝撃的だったが、個人的な楽しみが増えたと思えば悪い話ではない。

皆さんも興味があればぜひ読んでみてください。文字通り、八神庵が異世界で無双する姿は必見です!

 

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